首都圏の電力市場は、まるで草刈り場のように地域外の大手電力の参入が相次いでいる。
これまで、総括原価方式に守られ、生産性の向上や、タクト管理、原価低減については
ほとんど無縁に過ごしてきただけに、集中砲火を浴びたような状態になっていたが、
3日頃から立て続けに新聞記事が出ている。
3日には東京電力は中部電力より家庭用の電気料金を3-5%値下げの発表をしている。
首都圏で中部電力は東京電力より10%安い。
東京電力が顧客を取り戻すには同額の値下げが最小限必要となる。
一方、中部圏は首都圏に比較して新電力の参入も少ないため、大手電力として
首都圏で値下げするより、中部圏で値下げした方が、値下げ幅少なく顧客を確保できる
と考えたとも受け止められるのでは無かろうか・
東京電力と中部電力は、発電事業においては手を組みながら
小売事業においては、互いに相手の領域に入って顧客を奪い合う構図になってしまった。
何となく変なかんじがするが、既に会計上では発電・配送電・小売は分離され、この先には法的分離もある。
となれば、ホールディングスとして見れば面白くないが、小売会社の販売施策と考えれば不思議はない。
11日の報道では、三菱自動車岡崎製作所が中部電力から東京電力に契約切り替えている。
東電は首都圏エリアで大口顧客を3500件失っているから、域外販売で欠落した売上げを取り返そうと動いたと
見られる。東電は、原発自己処理のために巨額資金が必要であるため、悠長にしてられないことを示したもの思われる。
2000年に始まった電力自由化では、域外での契約は全国で唯1件であった。
長くそのままであった事を振り返ると急速に進展している事が分かる。
異業種や周辺業種から電力小売事業に参入した新電力が多い中で、発電所をもっている大手電力が設立した新電力
による販売がますます激化すると思われるが、需要家としては注意すべき点も多い。
それは、新電力が撤退する状況をつくらない、加担しないことである。
なぜなら、新電力が消えることは、独占や寡占に戻ることを意味するからである。
従って、新電力の見積をエサにした相見積を要求しないこと。
新電力の見積や契約金額を開示しないこと。
この2つを実施しないと、やがて元の高値の電力に戻る。
貴方の会社だけは良くても、それは瞬間に過ぎない。
健全な競争が続く環境を、意識して維持していくことこそ賢い選択ができる事を忘れてはならないのである。
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